時には、がっつり

ふだんはおいしいものを少しずつ派だけど…

町小路の女/うつろひたる菊(蜻蛉日記)もっと深くへ !

【要約すると】 夫がよその女にあてた手紙を見つけて疑ったが、やはり女の元へ通っていることがわかった。その後、私を訪ねてきた時に門を開けないでいると、その女のところへ行ってしまった。歌を詠んで送ったところ、無神経な手紙と歌が贈られてきて、本当…

御前にて人々とも(枕草子)もっと深くへ !

「枕草子」では読み取りが難しい章段です。ごく短く要約すると、 きれいな紙を手に入れると落ち込んでいても気が晴れると、中宮様や女房たちの前で語っていた。その後、思い悩むことがあり実家に下がっていた時、中宮様が上質の紙二十包み送ってくださった。…

平安女流~世界の文学史上特筆すべき存在

今から1000年以上前に清少納言によって書かれた、「春は曙。」ではじまる随筆は日本人は誰でも知っている。この夏とそれに続く秋については、次のようなことが述べられている。 《 夏は夜がよい。月が出ている夜はもちろんのこと、(月が出ていない)闇夜も…

インターネットは何を変えたのか(黒崎政男) もっと深くへ !

① まず、印刷技術が成立する以前。書物が手書きで書かれていた時代。 著者は『「血をもって」全身全霊で』書いたのであり、読者(僧侶や学者か)は「全身全霊で」読むことによってその「精神」を読む解くことができた。ニーチェはこれが真に書くことであり読…

名を聞くより(徒然草) もっと深くへ !

この「名を聞くより」全文では、筆者は2つのことをメッセージとして発信していることになります。 1つは、「イメージしていたもの(名)と実際(実)とでは違うことがよくある」ということ。 そしてもう1つは、「今人がしゃべっていること、目に見えてい…

輝く日の宮(源氏物語/桐壺巻) もっと深くへ !

桐壺の更衣とその母君の逝去、若宮の臣籍降下と語られてきた、桐壺の更衣にかかわる一連の事件は一段落しました。 溺愛していた桐壺の更衣に先立たれ、帝は悲しみの淵に沈んでいました。そんな時、先の帝の第四皇女が桐壺の更衣に似ているという話を聞き、入…

絵仏師師良秀(宇治拾遺物語) もっと深くへ !

このお話は今から800年ほど昔(鎌倉時代)に、言い伝えられてきた話を書きとめられたものだけど、当時の人たちがおもしろく興味深いと思っていたから言い伝えられ、しかも、書きとめられたわけですよね。800年前の日本人がどういう点を面白いと思った…

児のそら寝(『宇治拾遺物語』第十二話) もっと深くへ !

「児のそら寝」、こんな読み方も… ぼたもちが食べられる、でも、いやしいと思われたくなくて出来上がる前に寝入ったふりをしていた。出来上がったので僧が稚児を起こすが返事をしたら狸寝入りしていたのがばれてしまう。結局、我慢ができず間の抜けたような…

九月二十日のころ(徒然草) もっと深くへ !

秋の終わりのころ、しのび妻を訪問する高貴な人を描き、兼好は、この男女に心からの共感を感じている。 しのび妻との逢瀬もシチュエーションに応じ「よき程」を心得、相手の、「わざとならぬ」薫物(たきもの)や名残を惜しむ姿に、兼好は感心する。優なる人…

鶯の宿(大鏡) もっと深くへ !

- 天皇の御殿の梅が枯れてしまったので、目利きの繁樹(この件の語り手)が主人の命で、都中を捜してある家の庭にある見事な梅を見出し移し植えた。その時、その家の女主人が「この手紙を木に結び付けてお持ちください」と言う。天皇がいぶかしく思ってその…

時平と道真(大鏡) もっと深くへ !

古代人は天候不順や天変地異、飢饉や疫病の流行を、神や、憤死した貴人の祟りだと考えた。 たとえば、長屋王をでっち上げた罪によって自害させらた藤原不比等の四人の子が、その後全員が一瞬といっていううちに天然痘に罹患して命を失ったのは、長屋王の祟り…

家居のつきづきしく(徒然草) もっと深くへ !

【前段の組み立て】 ① 人生の仮の宿りではあるが、住宅は感じのよいものにしたい=主旨。 ② 身分教養ある人が心静かに住んでいる住宅は、庭園や調度のようすまで実にゆかしい=望ましい住居のさま。 ③ やたら贅(ぜい)をつくして作った住宅はかえっていとわし…

羽根/亡児(土佐日記) もっと深くへ !

「土佐日記」の冒頭(門出/馬のはなむけ)については、『門出(土佐日記) もっと深くへ ! 』で、その文学史的意味をふくめて書いていますのでそちらをみてください。 土佐(高知)から京都、現在では車で数時間。楽しく快適にドライブできます。しかし、11…

かしらの雪(土佐日記)もっと深くへ!

original text 廿一日 卯のときばかりに、船いだす。みな人々の船いづ。これをみれば、春の海に、秋の木の葉しもちれるやうにぞありける。おぼろげの願によりてにやあらん、風もふかず、よきひいできて、漕ぎゆく。このあひだに、つかはれんとて、つきてくる…

忘れ貝/亡児(土佐日記) もっと深くへ !

「土佐日記」の冒頭(門出/馬のはなむけ)については、『門出(土佐日記) もっと深くへ ! 』で、その文学史的意味をふくめて書いていますので参照してみてください。 土佐(高知)から京都、現在では車で数時間。楽しく快適にドライブできます。しかし、11…

門出(土佐日記)seek deeply !

本来、日本語には固有の文字がなく、1200年ほど前(9世紀初頭=平安時代初期)には、漢字を応用して、ひらがな・カタカナが作られていたと考えられています。その事情については、「かぐや姫のおいたち(竹取物語) seek deeply !」で書きました。 その「竹取…

帰京(土佐日記)seek deeply !

「土佐日記」の冒頭(門出/馬のはなむけ)については、『門出(土佐日記) もっと深くへ ! 』で、その文学史的意味をふくめて書いていますので参照してみてください。 岡山県立岡山芳泉高等学校の美術部と放送文化部の共同制作の動画、すばらしいですね。 …

野分の朝(源氏物語/野分巻)~心騒がせる野分 seek deeply ! もっと深くへ !

光源氏36歳。 その正妻である紫の上は28歳。 光源氏と今は亡き正妻葵上との間に生まれた夕霧は15歳。夕霧にとって、紫の上は継母(ままはは)にあたる。 六条院とよばれる、光源氏が平安京の六条京極に建てた広大な邸宅で、ここにおもだった夫人たちと子女を…

須磨の秋(源氏物語)seek deeply ! もっと深くへ!

《 父桐壺帝がおかくれになったあと、政界は右大臣方が権勢をふるうこととなりました。源氏の君は、何かと圧迫を受け、宮廷には出仕しない身となったのです。しかも、流罪の罪をきせられるうわさも流れたので、先手を打って、自発的に以前荘園のあった須磨に…

かぐや姫のおいたち(竹取物語)seek deeply ! もっと深くへ!

【無文字言語から有文字言語へ】 「竹取物語」は今から1100年以上前に書かれました。この物語、「源氏物語」の中で「物語のいできはじめの祖(おや)」と書かれていますが、私たちが読むことのできる我が国最古の物語です。文学史上エポックメーキングとなる…

ものとことば(鈴木孝夫)seek deeply ! もっと深くへ!

【ことばがものをあらしめる…?】 「あらしめる」とは、あるようにするの古い言い方。ここでは、ことばがものをあるようにするということで、ことばがあるからものがあると言い換えてもいい。 魚を買うとき、その表示にツバスとあり「この魚は何?」と戸惑う…

花は盛りを、月は隈なきをのみ(徒然草137) seek deeply ! もっと深くへ !

「花は盛りを、月は隈なきをのみ」(徒然草137)、高校生の時、たいていの人が読むことになる章段ですね。要約すると次のようになると思います。 満開の桜や曇りのない月だけがすばらしいわけではない。月や花を見ないで過ごすのや、雨の夜の月、今にも咲き…

いでや、この世に生まれては(徒然草)SEEK DEEPLY ! もっと深くへ !

要約します。 この世には、願わしいことが多い。 天皇や貴族は畏れ多く尊い。摂政・関白と、上流貴族が貴いのは言うまでもない。 僧はまったくうらやましくないが、一途な世捨て人は別だ。 容貌・容姿は優れているほうがよい。話し方が魅力的で口数が少ない…

あだし野の露消ゆるときなく(徒然草) seek deeply! もっと深くへ!

あだし野(墓地のある地として有名)に置く露が消えることなく、また、鳥辺山(火葬場のある地として有名)の煙が消え去ってしまうということもなく、この世の終わりまで生き続けるのがならわしであるのなら、しみじみとした風情というものはない。この世は…

マルジャーナの知恵(岩井克人) seek deeply! もっと深くへ!

Dの「差異そのものを意識的に創りだしていかなければならない」(問4)について。差異は、次のようにして作り出されています。 ①イノベーションによって機能や品質を高める。 ②ブランド・イメージを高める。 ③情報商品では情報の質・信頼性・速報性・希少…

自分・この不思議な存在(鷲田清一)1/2 Seek Deeply! もっと、深くへ!

① この評論、読み慣れているものとは思考・論の組み立てが違っていて、スムースに読み取れなかった人がいると思います。 私たちが「意味の境界」に固執するのは、〈わたし〉が「もろく、不可解な存在」であるからだ。〈わたし〉が「もろく、不可解な存在」で…

山月記(中島敦)1/2 Seek Deeply! もっと、深くへ!

冒頭にある、「若くして名を虎榜に連ね」の箇所、「虎榜」について、注には「進士の姓名を掲示する木札」というような説明がなされていると思うけど、ナーニ、それ…?で通り過ぎないでね。李徴のキャラクターや行動や運命を理解するうえで欠かせないものなん…

御前にて人々とも(枕草子) Seek Deeply! もっと、深くへ!

「枕草子」では読み取りが難しい章段です。ごく短く要約すると、 きれいな紙を手に入れると落ち込んでいても気が晴れると、中宮様や女房たちの前で語っていた。その後、思い悩むことがあり実家に下がっていた時、中宮様が上質の紙二十包み送ってくださった。…

木曾の最期(平家物語)seek deeply! もっと深くへ

【あらすじ】 『日本大百科全書』から引用します。 《 その粗筋を述べると、「祇園精舎(ぎをんしゃうじゃ)の鐘の声、諸行無常(しょぎゃうむじゃう)の響(ひびき)あり、沙羅双樹(しゃらさうじゅ)の花の色、盛者必衰(じゃうじゃひっすい)の理(ことは…

光源氏の誕生と母更衣の死(源氏物語/桐壺)Seek Deeply! もっと、深くへ!

源氏物語は、今から1000年余前、藤原道長の娘である中宮定子(ていし)に仕える紫式部によって書かれた。先行する伝記物語(「竹取物語」など)・歌物語(「伊勢物語」など)・日記文学(「蜻蛉日記」など)の表現史的蓄積の上に、このような高度な表現…